社労士試験の択一式〜点数に対する考え方 前編
社労士試験はいわゆる足切りがあるので1点がとても重い試験です。
社会保険労務士試験の択一式は7科目に分かれており、それぞれ10点ずつ計70点満点であることはご承知のことかと思います。
各科目7点、49点取れば余裕で合格圏!とよく言われていますよね。
模試を受けると4点以下超ヤバイ、5点ヤバい、6点ギリギリ、7点まあ普通、8点良くできた、9点めちゃくちゃ良くできた、10点天才か?と思う事でしょう。
そこで点数についてもう少し突っ込んで、具体的にこのように考えると良いのではないかなという点をお伝えします。
択一式は1問あたり5肢あります。
5肢全ての選択肢の正誤が分かればもちろん1点獲得です。問題を読んでいる途中で絶対これが正解だと判断できる肢があればその時点で1点獲得です。模試や過去問でもこの場合は文句なく1点取ったと言って良いでしょう。
しかし下記の場合はどうでしょうか?
「2択にまで絞れたけど、どっちか考えても分からなくて迷って間違えたor運良く正解だった。」
例えばBとCで悩んだら「全体的にBが続いているからCにしよう」などその程度の判断で答えを決めた問題です。
「時間も足りないしこれ以上考えてもしょうがない、時の運に任せる。」こんな経験は誰しもあると思います。
多くの受験生を悩ませる個数問題なんかは特にこういうことになるかと思います。
これ、悩んだことを忘れて模試や問題演習の解答を見てそのまま終わってしまっていませんか???
こう考えてみましょう。
「2択に絞れていたら0.5点!3択に絞れていたら0.33点!4択なら0.25点!何も分からなければ0.2点!」
この考え方をすると7点を取るためには、具体的にどれくらいできるようになれば良いかが見えてきます。
7点を取るためにはズバリ!!!!
10問中4問は確実に正解し、
後の6問は2択に絞れるくらいの実力が必要です!
「・・・あれ?そんなもんで良いの?」と思いましたか?
なんだかいけそうな気がしますよね??
2択に絞れるということは、5択の内3つは正誤の判断がつくが、残り2つがあやふやで分からないという事です。確実に正解だと言える4問を除き、残り6問のうちよく分からない選択肢が各問均等に2つずつあるとすると、10問50肢のうち12肢があやふやで分からなくても7点以上は取れる可能性が高いということになります。(だいぶ穴のある計算なので目安として考えて下さい。)つまり各選択肢の正誤判別率76%あれば良いのです。
これだけ見ると「え?普段の一問一答の正答率76%でいいの?」と誤解させてしまうかもしれませんが、それは違います。「これは確実!」と言える選択肢を76%以上作らなければいけないという事です。
本試験は過去問だけで作られるわけではなく、見たことの無い論点の選択肢が必ず出ます。確実とは言えない選択肢が10個出たとすると、「勉強してたら分かる」という残りの基本論点を問う選択肢40個のうち2個しかあやふやを作れないため、必要正誤判別率は95%です。
よって、4問確実に正解し、後の6問は2択に絞れるくらいの実力とは、過去問や問題集の一問一答形式の演習で正答率95%以上、20問に1問間違えるくらいが目安になるのかなと思います。
社労士試験は5択なので1つの選択肢が分からなくても、他の4つの正誤判断がつけば消去法で(個数問題以外は)正答が出せます。また、正しいもの、誤っているものを選べという問いの場合、一つ確実なものを見つけてしまえば他の選択肢の正誤判断はせずとも解けてしまう、いわゆる一本釣りができる事もあります。
基本の論点を抑え、「これってこうだったっけ・・・?」というようなあやふやを減らし、「これは確実に違う」、「これは確実に正しい」と判断できる事を増やす事が点数獲得に直結するのです。
「前回の模試より悪くなった」本当にそうでしょうか?実力は向上しているのに時の運でたまたま外してしまった問題が重なってしまったのではないですか?
「2択までは絞れたのに迷って間違えて全然ダメだった」と考える人がいるかも知れませんが、2択まで絞れた時点で0.5点と数えましょう!
社会保険労務士試験は全問マーク式で1点か0点です。本試験では見たことの無い問題が必ず出題されるので上振れ下振れが当然あります。
だからこそ普段の模試や過去問演習では上振れ下振れの点数に惑わされないよう、真の実力を見極めるために正解と間違いの内容、1点と0点の内容に注目しなければいけないと思うのです。
「多分これだな」で選び「正解した」、「間違えた」問題を忘れずにメモしておき2択で迷った時点で0.5点、3択なら0.33点として再計算すると真の実力が測れるのではないでしょうか。
長文になったので続きはまた後日。ここまでお読みいただきありがとうございました。
つづく