「人口減少で何が困っていますか?」——漠然とした不安を、具体的な問いに変えてみる

先日、秋田市内で開催された経営者向けの講演会に参加しました。経済評論家の高橋洋一氏が登壇されていたのですが、質疑応答の場面で印象に残るやりとりがありました。

ある経営者が「秋田県の少子高齢化についてどうすれば良いと思いますか」と質問したところ、高橋氏は逆に問い返しました。

「少子高齢化で、実際に何が困っていますか?」


「問題」と「漠然とした不安」は違う

人口減少・少子高齢化というテーマは、地方にいると特に重くのしかかってきます。ニュースでも繰り返し取り上げられ、なんとなく「大変なことになる」という空気が漂っている。

ただ、高橋氏がおっしゃっていたのはこういうことだと私は解釈しました。

具体的な問題があるなら、解決策も考えられる。漠然とした不安は、解決のしようがない。

「人口が減っている」という事実は変わりません。ただ、それが自分の会社にとって何を意味するかは、業種・規模・地域・経営の中身によってまったく異なります。

「人口減少でうちの会社はどうなるんだろう」という不安のままでいるより、「人口減少によって、うちの会社では◯◯が問題になる」と具体化できれば、次の打ち手が見えてくる。


人事労務の現場で見える「具体的な問題」

社労士として日々経営者と話していると、人口減少が絡む問題はすでに目の前にあります。

採用できない
求人を出しても応募が来ない。来ても定着しない。これは秋田に限らず地方全体で起きています。ただ、採用できない理由が「人口が少ないから」なのか、「給与・条件が市場から外れているから」なのかによって、打ち手はまったく違います。

社会保険料の負担が増え続ける
働く人が減れば、現役世代一人あたりの社会保険料負担は増えます。今回のこども子育て支援金もその一つです。これは避けられませんが、給与設計・コスト構造をどう組むかは考えられます。

ベテランが抜けると技術・知識が消える
少人数の会社ほど、一人の退職が業務に直結します。引き継ぎ・マニュアル整備・評価制度の整備など、「属人化をほぐす」仕組みが重要になってきます。


「競合他社もいなくなる」という言葉

高橋氏は「人口減少とともにやっていけない会社は潰れていなくなる」ともおっしゃっていました。裏を返せば、環境に適応できる会社は残るということです。

そして爆発的な人口増加の方が、インフラ・行政・社会保障の観点では対処がはるかに難しいという話もされていて、確かにそうだなと思いました。

人口減少を「悪いこと」と決めつけず、自社にとっての課題を一つひとつ具体化していく——そういう思考の仕方が、今の時代には必要なのかもしれません。


あなたの会社で「人口減少」は何を意味しますか?

漠然とした不安を持ったまま終わるのではなく、一度こう問いかけてみてください。

  • 採用が困難になっているとしたら、原因は何か?
  • 社会保険料の負担増に、給与設計は対応できているか?
  • 今いる従業員が辞めたとき、業務は回るか?

この問いに答えが出てくるなら、打ち手も出てきます。答えが出てこないなら、それ自体が経営課題です。

人事労務の観点からこうした問いを一緒に整理することも、顧問社労士の仕事の一つだと考えています。


ZEST社会保険労務士オフィスでは、採用・労務管理・規程整備など、人事労務に関するご相談を承っています。まずはお気軽にどうぞ。


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