GW明けに増える労務トラブル3選|連休後に会社がやるべきチェックリスト
5月の最初の週はトラブル多め?
ゴールデンウィーク明けの最初の週は、毎年どこかでこういったことが起きます。
- 「退職したいと思っていました」と突然の申し出
- 理由のよく分からない遅刻・欠勤が続く社員
- 「もう来ません」と連絡が途絶える
この時期は、普段は見えていた職場の綻びが一気に表面化します。長期連休で物理的に会社から切り離された期間に「本当に続けたいか」を考えた結果が、連休明けに出てくるのです。
問題はトラブルが起きること自体ではなく、就業規則や制度の整備がないまま対応しようとして、対応できなったり更なるトラブルを引き起こしてしまうことです。
1. 退職・退職届の取り扱い
よくあるトラブル
「明日から来ません」「退職届を置いてきた」という形で、突然退職を告げられるケースが5月前後に集中します。
会社が押さえておくこと
民法上、労働者は2週間前に申し出れば退職できます(民法627条)。就業規則で「1か月前に申し出ること」と規定していても、それは会社都合の調整であり、2週間を超えて引き止めることは法律上できません。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 就業規則に退職手続きが明記されている | 規程に沿った手続きで進められる |
| 就業規則に記載がない・あいまい | 口頭でのトラブルになりやすい |
| 退職届を受け取っていない | 「言った・言わない」の水掛け論になる |
退職手続き(申出期限・引継ぎ方法・有給の扱い)を就業規則に明記しておくことで、混乱を最小化できます。
有給休暇の消化問題
「退職前に残った有給をすべて使いたい」という申し出もこの時期に多くあります。有給休暇の取得は原則として労働者の権利であり、会社は拒否できません(時季変更権は退職前には行使できない)。
就業規則に退職時の有給取扱いルールを記載しておくことが重要です。
2. 欠勤・遅刻の急増(いわゆる五月病)
よくあるトラブル
連休明けから「体調が悪い」「気力がわかない」という理由で休みがちになる社員が出てきます。欠勤が続いても、就業規則に休職制度の規程がないと、会社はどう対応すればいいか分かりません。
会社が押さえておくこと
休職制度のない会社は、欠勤を続けた社員への対応手段がほとんどありません。
| ない場合のリスク | 内容 |
|---|---|
| 休職に入れない | 欠勤扱いのまま、いつ解雇できるか分からない |
| 復職基準がない | 戻ってきたときにどう扱うか判断できない |
| 傷病手当金の案内ができない | 社員への支援案内もできない |
休職制度(要件・期間・復職基準)を就業規則に定めることで、本人にも会社にも明確な道筋ができます。
3. 無断欠勤・連絡途絶
よくあるトラブル
連休明けから出社せず、電話もつながらなくなる社員が出るケースがあります。
会社が押さえておくこと
無断欠勤が続いた場合、会社は懲戒処分(解雇を含む)を検討することになりますが、就業規則に懲戒事由・手続きの規程がなければ、懲戒解雇は無効になる可能性が高いです。
就業規則に定めておくべき事項:
□ 懲戒の種類(戒告・減給・出勤停止・懲戒解雇 など)
□ 懲戒事由(無断欠勤○日以上など具体的な日数)
□ 懲戒手続き(弁明の機会の付与)
「連絡が取れなくなったら解雇できる」と思っている経営者は多いですが、その手続きを踏まなかった場合に解雇無効の訴えを起こされるリスクがあります。
4. GW明け前に確認しておくチェックリスト
□ 就業規則に退職手続き(申出期限・有給の扱い)が明記されているか
□ 休職制度(要件・期間・復職基準)が就業規則にあるか
□ 懲戒規程(事由・手続き)が整備されているか
□ 欠勤・遅刻への対応ルールが管理職に周知されているか
□ メンタルヘルス不調時の相談窓口・外部EAPの案内ができるか
まとめ
GW明けのトラブルは「突然の出来事」ではなく、多くの場合、事前に予測できる類型です。就業規則に手続き・制度の根拠があれば、対応の判断が格段に楽になります。
逆に、就業規則が整っていない状態では、「どう対応してもトラブルになる」という状況に追い込まれることがあります。
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